Cさん(66歳・女性)は、某社の事務職員として長く勤務され、退職後の今はスーパーで週3日、経理の仕事をしています。健診は毎年受けていました。
ある日、右腋窩に腫瘤を触れ、心配して来院されました。熱や痛みなどの症状はありません。診察してみると、たしかに親指の頭くらい(径約2.5センチ)の塊が硬く触れます。頚部、鼠径部など表在のリンパ節は触れません。右の乳がんからのリンパ節転移を疑いましたが、乳腺に腫瘤は触れません。乳腺超音波検査とマンモグラフィーでも特に異常はなく、また採血検査では、CEAなどの腫瘍マーカーに異常を認めませんでした。
そこで、外科でリンパ節を切除し、病理検査を行いました。その結果、組織診断では「腺がん」とのことでした。ただ、乳がんでよく見られるホルモンレセプター(エストロゲン、プロゲステロン)は陰性、HER2(ハーツー)タンパク発現もなく、乳がんからの転移とは確定できませんでした。
がんと向き合い生きていく