老親・家族 在宅での看取り方

前立腺がんの80代男性「自力でトイレに行きたい」と自宅療養を選択

写真はイメージ

 ADLは「Activities of Daily Living」の略称で、日本語では「日常生活動作」といいます。つまりは、日常生活を送るために必要な日常的な動作のことです。

 具体的には、食事、排泄、入浴、更衣、家事、社会活動、コミュニケーション。もう少し詳しく説明すると、「BADL」と「IADL」の2種類があり、「BADL」は食事、排泄、入浴といった基本的な日常生活動作。「IADL」は家事動作、趣味活動、社会活動、コミュニケーションといった、基本的な日常生活動作と比べると、やや複雑な動作になります。

 ADLが低下すると社会参加の機会が少なくなり、生きがいや役割を見いだせず家に閉じこもりがちになり、心身ともに機能が低下していきます。だからこそ、ADLはできる限り低下しないようにしたい。ところがこの「ADL」は、入院すると急激に低下してしまうケースが少なくないのです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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