痛みのない暮らしを取り戻す

首の激痛がつらい…ドクターショッピングの末に来院した85歳女性

写真はイメージ

 私は房子さんに頚部硬膜外ブロック療法を施し、漢方薬の十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、真武湯(しんぶとう)を処方しました。

 ブロック注射は交感神経の過緊張を一時的にブロックします。これにより自律神経をつかさどる脳の視床下部が働き、血管が広がって血流が促進され、血中にある発痛物質が流れて掃除されて、痛みが緩和されるのです。

 ただ、高齢の方へのブロック注射は注意が必要で、慎重に行わねばなりません。

 幸い初回の治療で房子さんの痛みは緩和されました。さらに通い続けてくださった結果、白血球は6700マイクロリットル、炎症反応は0.05まで下がりました。どちらも正常値です。

 徐々に改善した房子さん。2年ほど前からは通院頻度も月に1回のペースになりました。今では体調も安定しています。

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西本真司

西本真司

医師になって34年。手術室麻酔、日赤での緊急麻酔、集中治療室、疼痛外来経験後、1996年6月から麻酔科、内科のクリニックの院長に。これまでに約5万8000回のブロックを安全に施術。自身も潰瘍性大腸炎の激痛を治療で和らげた経験があり、痛み治療の重要性を実感している。

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