私は房子さんに頚部硬膜外ブロック療法を施し、漢方薬の十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)、真武湯(しんぶとう)を処方しました。
ブロック注射は交感神経の過緊張を一時的にブロックします。これにより自律神経をつかさどる脳の視床下部が働き、血管が広がって血流が促進され、血中にある発痛物質が流れて掃除されて、痛みが緩和されるのです。
ただ、高齢の方へのブロック注射は注意が必要で、慎重に行わねばなりません。
幸い初回の治療で房子さんの痛みは緩和されました。さらに通い続けてくださった結果、白血球は6700マイクロリットル、炎症反応は0.05まで下がりました。どちらも正常値です。
徐々に改善した房子さん。2年ほど前からは通院頻度も月に1回のペースになりました。今では体調も安定しています。
痛みのない暮らしを取り戻す