独白 愉快な“病人”たち

現役麻酔科医みおしんさん 線維筋痛症の「痛み」との闘い

電動車いすを利用。テクノロジーや工夫でピンチはチャンスに(C)日刊ゲンダイ
友人からの結婚式招待状で気持ちが切り替わる

 2012年、総合病院で研修を週4日勤務で再開しましたが、やっぱりしんどくてたまりません。その頃はまだ感染症によって慢性疲労症候群が悪化してしまったのだと思っていました。

 でも2017年、歌手のレディー・ガガさんが線維筋痛症で活動休止するというニュースが世間を騒がせました。記事に書かれている病気の症状が、あまりにも自分とピッタリだったので、そこではじめて自分が感じる体の重さや肩こりなどが「痛み」であると認識し、自分でカルテを書いて、線維筋痛症専門医がいるリウマチ内科クリニックを受診しました。

 線維筋痛症は、体全体に起こる慢性的な強い痛みが3カ月以上続くことによって不眠や頭痛、うつ症状なども引き起こす疾患です。激痛はあるのに、血液や画像検査では異常が見られないのが特徴で、脳に痛みが記憶されてしまい苦しむ人が多いのです。私の場合は、カルテにこれまで使った薬の種類、治療法を細かく書いておいたのが早い診断につながりました。すぐに18カ所の圧痛点(4キロの力で押したとき11カ所以上痛みがあると確定の基準となる繊維筋痛症の診断法)を確認され、「これは線維筋痛症だね」と、アッという間にお墨付きをいただきました。

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