老親・家族 在宅での看取り方

病院でなくても輸血はできる 患者さんは揃って「楽になった!」

写真はイメージ(C)PIXTA

 急性白血病や多発性骨髄腫、悪性リンパ腫など血液疾患の患者さんは、「輸血」が非常に重要な治療のひとつになります。血液疾患の患者さんには高齢者も多く、また遠方への通院が困難という方もいて、在宅医療の希望者が増えているのですが、実行に移せない方が多かった。というのも、在宅での輸血を行っている医療機関が少なかったからです。

 当院では、「在宅輸血」を訪問診療で行っています。その話をどこかから聞いて、在宅医療の相談に当院を訪れた患者さんのご家族からは、「本当に在宅でできるんですか!?」とよく確認されます。「輸血=病院でしかできない」という刷り込みが強いのでしょう。当院では、状況によっては遠方のケースにも対応しています。また、最近は在宅の輸血に対応する医療機関が少しずつ出てきています。

 患者さんやご家族が必ずといっていいほど口にするのは、「楽!」。普通に病院で輸血を受けようとすると、患者さんは朝から病院へ出向き、採血、血液製剤と患者さんとの適合性を確認するクロスマッチ検査を受け、その結果を待つ。 

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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