お尻からヒモのようなものがニョロニョロと…生魚から感染、その正体は?

生食の文化があるだけに…

 アニサキスは、サバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの「生」から人間の体内に入ることが多い。

 アニサキス症を回避するには、60度で1分以上加熱してから食べる。刺し身や寿司など「生」の場合は、マイナス20度で24時間以上冷凍処理したものを選ぶ。冷凍処理していれば、アニサキスは死滅しているのだ。

 調理時や食べる時は目視し、それらしきもの(数センチのヒモ状)を見つけたら取り除く。醤油、ワサビ、酢ではアニサキスは死滅しないので、例えば「シメサバだから安心」とはならない。

 万が一、アニサキス症になったら……。診断と治療を兼ねて胃内視鏡検査を行い、虫体が確認できれば摘出する。

 なお、高知大理工学部の松岡達臣教授らが、胃腸薬の正露丸を通常服用量溶かした液にアニサキスを30分浸す処理をすると、ほぼ全てのアニサキスが運動を停止、24時間後には死んだことを確認。また、胃と同じ濃度の消化酵素に浸すと、24時間以内に分解が始まったことを国際専門誌に発表している。

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