Dr.中川 がんサバイバーの知恵

早期の大腸がんで良績 新たな内視鏡治療「ESD」の課題

検便で早期発見

 ESDは、外科手術より肉体的負担が少なく、その適応は早期の大腸がんです。便潜血検査を毎年きちんと受けて、早期発見を心掛けることが大切です。その上でESDを受けるなら、年間症例数が多い医療施設を選ぶこと。具体的には、各地の大学病院やがんセンターなどがん診療連携拠点病院が無難です。クリニックなどでは、穿孔や出血の対応ができない恐れがあります。

 もうひとつ、ESDが難しいといわれたケースは消化器内科でのセカンドオピニオンを取るとよいでしょう。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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