腕に向かう動脈が詰まると「上肢急性動脈閉塞症」、下肢に向かう動脈が詰まれば「下肢動脈閉塞症」となります。いずれも詰まった側の腕や足が急に冷たくなり、強く痛んだり、しびれたりします。また血液が不足するため、皮膚が青くなることもあります。これも治療が遅れれば、腕や足が壊死することがあり、最悪の場合は切断を余儀なくされるといいます。
もちろん、血小板血栓があちこちで詰まる場合もありますが、一般に軽症で済むことが多いようです。ただし、血小板血栓症は、動脈硬化がもとで起こるため、慢性化しやすいといわれています。
これらの血栓症は、症例が比較的少ないこともあって、血液型との関係はほとんど調べられていません。ただ内臓や四肢のフィブリン血栓症は、非O型のリスクが、O型と比べてかなり高いことが予想されます。また血小板血栓症も、非O型のリスクが少し高い可能性があります。
急に激しい症状が襲ってくるフィブリン血栓症と、何度もぶり返す血小板血栓症。どちらも避けたいところです。不整脈がある場合はその治療、動脈硬化がある人は運動と食事に気をつけて、悪化を防ぐ必要がありますが、とくに非O型の人は気をつけるべきでしょう。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。