血液型の発見は1901年(文献によっては1900年)、病気との関連について研究が始まったのが1920年ごろからです。当初は結核、ジフテリア、発疹チフスなど、感染症との関係について調べられていましたが、1950年代に入って、がんに関する研究が、イギリスで始まりました。
大学病院などに入院していた胃がん患者の血液型を調べるという単純なものでしたが、A型がO型よりも胃がんリスクが高いことが示唆されました。また同時に、O型が胃潰瘍や十二指腸潰瘍になりやすいことも、明らかになりました。
この成功を受けて、がんと血液型の研究が、西ヨーロッパを中心に、本格的に始まったのです。しかしその大半が、1カ所ないし数カ所の病院の入院患者を対象としたものだったため、サンプル数が少なく(数十人から1000人規模)、統計的に有意な違いが出なかったり、まったく逆の結果になることもありました。そのため20世紀末の時点では、がんと血液型は無関係か、あったとしてもわずかな違いにすぎない、と結論づけられたのです。