がんと闘うための「心構え」…動揺や不安を抱えたまま大きな決断をしてはいけない

担当の方針を参考にして、自分で情報を集めることも大切だ
①その場で治療法を決断しない

「がん」と診断されたとき、ほとんどの患者は動揺し、大きな不安を抱える。2人に1人ががんになる時代、いつ自分がその立場になってもおかしくない。万一に備え、がんと闘うための“心構え”を覚えておきたい。

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 がんと告知されたとき、多くの人は混乱し、平常心ではいられなくなる。そんな状態で、治療法を選択したり、場合によっては治療を受ける医療機関を決断するのは難しい。

 都立駒込病院名誉院長で腫瘍内科医の佐々木常雄氏は言う。

「がんの治療では、最初の治療法の選択が非常に重要です。ですから、がんを告知されて動揺している中、自身のがんに関する情報も少ない状態で、重要な決定をするのはおすすめできません。結果的に誤った決断をしてしまう可能性があるからです。告知の際、医師から治療方針を説明され、治療法の選択や手術の予約を促されることも多いのですが、緊急性がなければその場では何も決めずにまずは自宅に帰り、がんに関する情報を集めたり疑問点を整理し、あらためて担当医の説明を聞いたうえで、しっかり納得してから決断するべきなのです」

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