がんと向き合い生きていく

小腸はがんが少ない 腸捻転で手術した友人からのメールで浮かんだこと

佐々木常雄氏(C)日刊ゲンダイ

 先日、昔からの友人であるYさんからメールが届きました。これまでは年に1回くらい一緒に食事会をしていたのですが、コロナ流行があってここ2年以上は会っていません。電話では、よく長い時間話されるのですが、メールが来たのは初めてです。こんな内容でした。

「急に腹痛があり、救急車で近くのM病院に運ばれました。腸捻転で緊急に手術しました。小腸は壊死部が多く、大腸とつないでどうにか助かりました。痛みはなく、平静ですが、栄養は点滴頼みです」

 突然の知らせにびっくりしたのですが、状況が分からないこともあって、ひとまず「それは大変でしたね。詳しい状況は分かりませんが、だんだん小腸が働いて、食べる栄養を吸収してくれるのを期待したいと思います。早い回復を祈っております」と返信しました。

 おそらく、病室から送ったメールでしょう。

 たしかYさんは数年前も急な腹痛で緊急手術をしたことがあって、その時は「腸には何もなかった」「腸の切除はしていない」「原因はよく分からなかった」と聞いた記憶があります。まずは回復を祈って、またメールか電話が来るのを待つしかないと思いました。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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