疲労が蓄積すると、首や肩が持続的に不快感や痛みを生じ、交感神経系の活動が優位になります。するとますます筋肉の緊張が増して、血行不良も悪化するという負のスパイラルができあがります。
ただし肩凝りが続き痛みを覚えても、その時点ではまだ肩は自由に動かすことは可能です。
しかし過剰な緊張が続いた肩の動きは、上げ下げはできたとしても理想的で滑らかな肩の使い方ができているとは限りません。ギクシャクした動きは関節に負担を与え、いずれ関節周囲に炎症を起こします。すると痛みに加え腕を上げることができなくなります。この状態を私たちは「五十肩」と呼んでいるのです。
さらに関節周囲に炎症が続けば、今度は関節を構成する靱帯や腱までも壊れる恐れがでてきます。この関節構成体が破綻した病態の代表例が、これまで紹介してきた凍結肩、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎と考えています。
たかが肩凝り、されど肩凝り。「それほどパソコンやスマホを使っていないのに肩凝りがひどい」など慢性的な肩凝りがある場合はしっかりとした治療が望まれるのです。
五十肩を徹底解剖する