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【プルーン】不足しがちな成分が豊富で「ミラクルフルーツ」と呼ばれる

プルーンは腸内環境を整えてくれる働きも
プルーンは腸内環境を整えてくれる働きも(C)日刊ゲンダイ

 プルーンは梅や桃と同じバラ科の植物で、西洋スモモとも呼ばれています。プルーン(PRUNE)の語源は、フランス語でプルーンの木を指す「プルノー(PRUNEAU)」に由来するといわれています。プルーンの発祥の地であるコーカサス地方では「命の果実」、欧米では「ミラクルフルーツ」と呼ばれています。

 そんなプルーンに特に多く含まれている栄養成分が、鉄、カリウム、カルシウムなどのミネラル類、β-カロテン、ビタミンB群、ビタミンCなどのビタミン類、水溶性食物繊維であるペクチンなどです。近年の研究でも健康効果に関するさまざまな報告がなされています。

 ドライプルーンに多く含まれるネオクロロゲン酸などのポリフェノールは強力な抗酸化作用を持つためマウスの免疫機能を向上させることや、閉経後の女性236人を対象に乾燥プルーンを食べてもらうと骨密度の改善が見られたこと。プルーンに含まれるポリフェノールが悪玉コレステロールの上昇を抑え、動脈硬化などの生活習慣病の予防に効果があることなどもわかっています。

 また、プルーンには水溶性食物繊維であるペクチンが豊富に含まれているのですが、一緒に含まれているマグネシウムなどの効果も相まって、腸内環境を整える働きがあることがわかってきました。さらには少し昔の研究にはなりますが、1993年に貧血改善効果が高いといわれるホウレンソウよりもプルーンの貧血予防効果のほうが優れているという報告も。今でもアメリカの病院などでは、妊婦にプルーンジュースを飲ませて便秘や貧血の予防に役立てているケースもあるそうです。

 このようにプルーンは現代人に不足しやすい成分を多く含むので、生活に取り入れることで、より健康的な食生活を送ることができるでしょう。また、妊娠中に取り入れたい栄養も豊富に含まれているので、妊娠前後の方にもおすすめです!

 プルーンのほとんどはドライフルーツとしての流通で、栄養価自体は乾燥したほうが高くなるのも否めません。しかし、果実が実る旬はまさに今この季節! フレッシュな生のプルーンは乾燥して濃縮されたドライプルーンよりもエネルギーが少ないので、さっぱりと召し上がることができるでしょう。

古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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