ですが、いまはなんの疑問も挟まずに入院を選択する方が圧倒的に占めているのが現実です。中には病状の急変に慌てて救急車を呼ぶ方も少なくないのですが、この場合は確実に運ばれた病院での入院を余儀なくされてしまいます。そもそも在宅医療そのものを知らない方もいます。
最近この連載を読まれたという、将来に不安を抱えているご家族から相談を受けました。そのご家族はただちに在宅医療を始めたいということではなく、あくまでも将来の不安に対する備えとしての相談でした。
家族構成は、78歳の男性と76歳の奥さまのご夫婦、奥さまのお母さま、そして老猫。お母さまは99歳でほぼ24時間寝たきりです。介護は奥さまがされています。
奥さまは昔は音楽活動をされており、お母さまはステージママとして活動的な生活をされていた仲の良い母娘。ですから大好きなお母さまの面倒をみるのは苦ではないとおっしゃいます。
老親・家族 在宅での看取り方