老親・家族 在宅での看取り方

すべて自分でやろうとしない 利用できるサービスは利用を

写真はイメージ

 それに自分でやることにこだわるご性格のようで、在宅医療でなくても他の人が手助けしてくれることに少しネガティブな感情をお持ちのご様子。

 ですが本音のところをお聞きすると、最近は慢性的な睡眠不足で、いまはいいけど将来が不安だともおっしゃいます。

 明らかにこの先、患者さんだけでなくご家族のQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)が低下していくことは明らかでした。

 たまにはご夫婦で外に出かければ気分転換になっていいのではないかと伝え、また、患者さんが一時的に入院し、介護するご家族の負担を軽減するレスパイト入院や、デイサービスなどの介護サービスの利用も提案しました。

 介護を長く続けるためのコツはなんでしょうか。それは20年や30年と続く場合もある介護で、なによりも無理せず、その家計に合わせたサービス内容とコストのバランスを取ることです。またご家庭のキャラクターに合わせて、のんびりやりながら長続きできるようにするのが大切になってくるのです。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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