時間栄養学と旬の食材

【菱】食道・胃・子宮・乳がんの予防に効果 皮は血糖値の上昇を抑制

実のほかに皮の栄養価も注目されている

 また最近は、実のほかに皮の栄養価も注目されています。菱の皮に含まれるポリフェノールは、オイゲニイン、TGG、トラパインの3つが主成分で、これらはヒト臨床試験で血糖値の上昇を抑制することがわかっているものです。マウスの実験でも、脂質分解酵素を阻害して中性脂肪を低下させることが報告されているので、皮も捨てずに煎じてみるといいかもしれません。

 漢薬書「斉民要術」にも菱の記載があります。滋養強壮に良いとされ、胃腸を健康に保ち、解熱に役立つそう。秋とはいえ、まだまだ暑い日が続きますし、疲れも出やすいころです。ぜひ、お手に取っていただけたらと思います。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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