1990年代に、アメリカで「アンチエイジング(抗老化)」という、健康増進における新しい潮流が生まれました。
高血圧、動脈硬化、糖尿病などが、「成人病」から「生活習慣病」に言い換えられた時代と一致しています。それらの病気が、好ましい食事や生活習慣を続けることで、かなり予防できることが分かってきたからです。
老化も、生活習慣病のリスクが高い人のほうが、早い傾向にあることも分かってきました。だとすれば、栄養やライフスタイルに気を配れば、老化を遅らせることもできるはずです。それがアンチエイジングの発想です。
最初のうちは、中高年女性の美容ばかりが強調されていましたが、今世紀に入ってから、徐々に健康長寿を目指した取り組みが増えてきました。フィットネスやダイエット、食事と栄養のバランス、ストレス解消法など、専門家や、そうでもないちょっと怪しげな人々が、老化に抗するためのさまざまな方法を提唱しています。さらに製薬業界や食品業界からの参入も多く、今では巨大なマーケットが形成されています。
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永田宏
長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授
筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。