役に立つオモシロ医学論文

認知症の予防に最適な歩数は1日1万歩弱 7.8万人を対象に解析

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 定期的に運動することは、健康に良い影響を与えると考えられています。

 実際、1日の歩数が多い人ほど、糖尿病や心臓病の発症、がんによる死亡率が低いことを報告した研究もあります。

「歩数」は運動量を評価する指標として分かりやすいもので、適度な運動量に相当する歩数は1日に6000~8000歩だといわれています。

 高齢化が進む先進諸国では、認知症を効果的に予防する生活習慣に関心が集まっています。定期的に運動することはまた、認知症の予防にも効果が期待できるかもしれません。

 そのような中、1日の歩数と認知症リスクの関連を検討した研究論文が、米医師会が発行している神経学の専門誌に2022年9月6日付で掲載されました。この研究では、英国の大規模データベースに登録されている40~79歳の7万8430人(平均61.1歳、男性44.7%)が対象となりました。

1 / 2 ページ

青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

関連記事