人気医師の和田秀樹がズバリ教える「老化を遅らせる生活」

和田秀樹氏(C)日刊ゲンダイ

 東京都健康長寿医療センターは、東京・小金井市と秋田・南外村に住む65歳以上の1048人を対象にコレステロール値と生存率の関係を調査。コレステロール値を「高い」「やや高い」「やや低い」「低い」の4グループに分けて調べたところ、最低が「低い」だった。同センターは、タンパク質と生存率の関係も同じように4群に分けて調査。その結果も、「低い」が最低だ。

■セロトニンの量は食事で変わる

 このシンプルな研究結果こそ、高齢者にとってコレステロールの必要性をよく示している。それだけに、さまざまな不調を感じている高齢者は、その一端にコレステロール不足が関係している可能性が高いという。

「コレステロールは、体を形成する脂質のひとつで、性ホルモンや細胞膜の材料になるほか、『幸せホルモン』と呼ばれる神経伝達物質セロトニンを脳に運ぶ重要な役割もあるのです。そのセロトニンは、脳内でほかの神経伝達物質の分泌量をコントロールしていて、精神を安定させる働きを担っています。“心の司令塔”といってもいい。それによって、コレステロールが減ると、セロトニンの取り込みも減るため、うつになりやすいのです。心の安定に重要なセロトニンは年とともに減少します。そのため、高齢者ほど肉を積極的に食べてコレステロール値を下げ過ぎないことがとても重要なのです」

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