データが語る 令和高齢者の実像

オートミール、赤ワイン、ダークチョコ…食品ブームはすぐに飽きられる

コロナ禍にはオートミールが大流行

 コロナ禍の一昨年から去年にかけて、オートミールが大流行しました。糖質が米の3分の1で、しかも免疫力をアップするらしい、コロナの巣ごもりにピッタリだ、というので注目されたのです。いまでもスーパーの店頭でよく見かけますが、一時の勢いからだいぶ落ち着いてきた印象を受けます。

 大半の人は、面倒なダイエット法はしたくないわけですから、なにか健康長寿に効く特別な食材や栄養素がないかと考えます。だからこそ、無数の健康食品やサプリメントがあふれかえっているのです。有名なもののひとつに、ポリフェノールがあります。体内では、新陳代謝の過程で大量の活性酸素が発生しますが、それが原因で体がさびつき、老化が進むとされています。抗酸化物質であるポリフェノールを取れば、活性酸素を中和してくれて老化を防げるのではないか──。そんな理屈から赤ワイン、ダークチョコレート、大豆などが注目されました。とくに赤ワインのポリフェノールであるレスベラトロールが大人気になったことを覚えている人も多いでしょう。脂っこいものを好むフランス人に、肥満や心臓病が少ないのは、赤ワインのおかげだというのです。しかも長寿遺伝子のスイッチをオンにする働きまであるらしい。

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永田宏

永田宏

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

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