時間栄養学と旬の食材

【エスカルゴ】脂肪肝の予防に最適な「ベタイン」が豊富

まさに今が旬

 エスカルゴは、フランスの郷土料理でもある食用のカタツムリのこと。ブドウの葉を餌としていたことから、シャンパーニュ、ブルゴーニュといったワインの産地で古くから飼育され親しまれてきました。日本ではそれほど馴染みがなかったのですが、近年はファミリーレストランなどでも見かける機会が増えてきていますし、繁殖が難しいといわれていたものの、三重県の松阪市で味と大きさともに最高級とされるヘリックスポマティアの養殖に成功しています。

 最も美味とされるのは、休眠して膜を殻に張っている越冬の時期とされ、まさに今が旬のはしりになります。

 そんなエスカルゴに含まれる栄養素に、うまみ成分のひとつであるベタインがあります。肝臓へ脂肪が沈着するのを防ぎ、脂肪の排出を促進する作用があることがわかっているので、脂肪肝の予防に最適な栄養素といえるでしょう。また、アルコールによる肝臓への損傷を妨げる効果がラットを使った実験でもわかっています。さらには、抗酸化作用についての研究もなされています。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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