Fさんは、鉄道会社を定年退職した6年前から、肝硬変・肝臓がんの治療のためP総合病院の肝臓内科に通院しています。そのFさんが3年ぶりに入院治療を受けた時のお話です。
「今回が5回目の入院治療でした。前回まではラジオ波でがんを焼き殺す治療だったのですが、今回はがんの数が増えていたことで『肝動脈塞栓療法』でした。治療後2日間ほど熱が出ましたが、無事、順調に回復し、7日目で退院できました。担当医も看護師さんも、みんな親切でした」
肝動脈塞栓療法とは、がんに到達する肝動脈の一部を詰めて塞ぎ、血流を止めてがんへの栄養の供給を絶つ方法です。肝動脈に抗がん剤を注入する場合もあります(動注化学療法)。Fさんの場合、進行したがんの広がり状況から、今回の治療で延命効果はあっても治ることはなく、治療法のリスクについても理解していました。
Fさんのお話が続きます。
がんと向き合い生きていく