老親・家族 在宅での看取り方

がんの末期に生じる痛みは「在宅」でもしっかりコントロールする

「普通の日常を過ごす」ことが大事(C)日刊ゲンダイ

 入院する病院から自宅へ移られ、在宅医療を開始される患者さんの中には、がんの末期といわれる状態の方も少なからずいます。

 このがんの末期について、厚労省は「治癒を目指した治療に反応せず、進行性かつ治癒困難または治癒不能と考えられる状態」と定義しています。

 このがんの末期となった場合、がん細胞に組織が損傷されることで痛みが生じることが珍しくありません。

 がんの痛みといっても、患者さんの日常生活へ及ぼす影響の程度はさまざまです。薬剤による緩和などを必要としない程度から、物事への集中力に支障を来したり持続的にさいなまれ、他のことを考える余裕もないといった程度まで。

 在宅医療を進める上でも、患者さんの痛みのレベルを見極め、それに応じた鎮痛剤を適切に使用することで、痛みをコントロールし患者さんのQOL(生活の質)を維持向上するように努めています。

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下山祐人

下山祐人

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

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