血液サラサラ薬を飲んでいるなら、ちょっとした頭の打撲も要注意 すぐにCTで検査をと医師

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「中和剤の投与で、抗血栓薬の活性を抑制し、出血性合併症による障害を抑えます」

 中和剤には種類が複数ある。どの抗血栓薬を飲んでいるかで、使う中和剤が異なる。ここが中和療法が難しい点になる。抗血栓薬もさまざまな種類があるからだ。

「救急搬送された患者さんの服用薬剤がわかるのは、半数ほどが搬送された翌日です。しかし、中和療法はすぐに行わないと効果がない。どの抗血栓薬を飲んでいるかがわからなければ、中和療法を含めた適切な対応ができません」

 抗血栓薬を服用しているある80代の患者は10時半に自宅で転倒。ドクターヘリを要請し、大学病院で15時43分に中和療法が行われたが、すでに遅く、意識の戻らない状態となってしまった。

「頭を打ち脳内出血があると、血腫が大きくなり脳ヘルニアという治療しても元に戻すのが難しい状態になります。抗血栓薬を飲んでいる人は血腫が大きくなる前に、早い時期に、中和療法が必要なのです」

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