「多くの患者を抱える医師は、体重減少や食事量、全身状態を十分確認せずに、腫瘍の大きさの変化や血液データだけを見て薬を安易に継続してしまうこともまれではありません。だからこそ、患者さんが薬の副作用から身を守るためには、薬による体の変化を自分でしっかりと確認し、その状態を素直に主治医に伝えることが大切なのです」
■家族が判断すべき時もある
特に気をつけたいのが病院の患者だ。在宅医療の患者は“ホーム”である自宅のリラックスした雰囲気の中で、薬による副作用や薬を替えた時の感想を「先生、効きすぎるよ」「薬を替えてから全然効果が悪くなったよ」などと気軽に口にできる。ところが、“アウェー”である病院の患者だと、薬による影響を伝えるだけの時間的な余裕がなかったり、薬を替えて悪くなったと医師に伝えるのが申し訳ないという気持ちが働いて、素直に伝えられなかったりする。