トレビス(赤チコリ)はキク科の多年草野菜です。日本に入ってきたのは1980年代になってからで、比較的新しい野菜です。
見た目は紫キャベツにそっくりですが、紫キャベツは葉も葉脈も紫色でキャベツのような厚みと堅さがあるのに対し、トレビスは葉が赤紫色で葉脈は白、葉は薄くて柔らかいという違いがあります。
原産地はイタリアや北アメリカとされ、今まで輸入が多かったのですが、最近は北海道や青森県、長野県や岡山県、鹿児島県でも栽培出荷されています。
赤紫色なのは、日光を遮断することで本来日光が当たると緑色になる成分の葉緑素が抑えられているから。
トレビスとチコリの違いは、食べる部分の違いです。チコリは芽の部分を食べるのに対し、トレビスは葉を主にサラダとして食べられています。主力産地であるイタリアではラディッキオロッソと呼んで、高級食材としているそうです。
そんなトレビスは、紫キャベツやチコリに比べて、およそ10倍以上のビタミンB2が含まれています。ビタミンB2はレバー、ウナギ、カキなどに多く含まれている栄養素で、脂肪の燃焼を促し、体のエネルギーを作るために必要です。また、肝機能を高めてくれるビタミンのひとつなので、忘年会シーズンにはもってこいの栄養素ではないでしょうか。
ほかに、紫キャベツやチコリにほとんど含まれないビタミンB6も豊富です。ビタミンB6はアミノ酸の合成や分解に必須な栄養素で、タンパク質を効率的に利用してくれる働きがあります。食べたものからエネルギーを取り出し、筋肉や血液を作るときに必要なので、タンパク質を多く取る人にもおすすめです。
また、トレビスには体内の余分な塩分を排出し、高血圧の予防に役立つカリウム、眼精疲労の回復に役立つポリフェノールの一種アントシアニンも含まれます。一方で水溶性食物繊維であるイヌリンも含まれ、朝食時にイヌリンを摂取すると、昼食後、夕食後も血糖値の上昇を抑えられる可能性が高まっています。
目的に応じて摂取するのもいいのですが、可能ならば朝も夜もトレビスを召し上がってみてもいいでしょう。
時間栄養学と旬の食材