「電子処方箋」10月末からの先行運用でクリアすべき課題が見えてきた

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■「検査値」はより良い薬の処方にとって重要

 さらに大きな課題も見つかっている。近年、患者の「臨床検査値」を記載した処方箋が普及し始めていたが、電子処方箋には検査値を記載できず、薬局側で確認することができないケースが発覚したという。

「患者さんに対して適切で安全な薬物治療を提供するために、薬剤師による検査値の確認はとても重要で、処方箋に検査値を記載する医療機関が増えています。腎機能、肝機能、白血球数、ヘモグロビン量、炎症反応、薬剤の血中濃度といった血液検査の数値など、その患者さんが受けた検査のデータを確認しながら、薬の量や種類を調整するのです。たとえば腎機能が悪化すると、血液中に入った薬の成分を体外に排出することが不十分になり、効きすぎてしまったり、副作用が出るリスクが高くなります。その場合、薬の量を減らしたり、種類を変更することもあります」

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