③メラトニン受容体作動薬(ロゼレムなど)
④オレキシン受容体拮抗薬(ベルソムラ、デエビゴなど)
「1900年ごろに世界初の睡眠薬として開発された①バルビツール酸系は、大脳皮質や脳幹に作用して脳の覚醒を抑えることで眠気を催します。しかし、依存や耐性が生じやすく、過量に服薬すると呼吸中枢が麻痺して死亡する危険がありました。そこで、60年代になって②ベンゾジアゼピン系、80年代に非ベンゾジアゼピン系が登場し、長らく主流になります。前者は『ベンゾジアゼピン骨格』と呼ばれる分子構造を持ち、後者はその構造を持っていませんが、薬理作用は同じで、どちらも脳内のベンゾジアゼピン受容体とGABA受容体の複合体に作用し、GABAという抑制性の神経伝達物質の働きを亢進させることにより催眠作用をもたらします。いずれも単独の服薬では呼吸抑制が起こらないため、登場から30年ほどはBZ系が睡眠薬の中心になりました」