「睡眠薬」の現在…ベンゾジアゼピン系から新タイプへの切り替えが進んでいる

睡眠薬は、生活習慣の改善などの睡眠衛生指導を行ったうえで、短期的に使うもの

 もちろん、不眠のために翌日の仕事や運転ができないなど、生活に支障が出ている場合は、睡眠薬をきちんと使って眠ったほうがよいと判断されるケースはある。しかし、睡眠薬は生活習慣の改善などの睡眠衛生指導を行ったうえで、短期的に使うもので、「ちょっと眠れないから睡眠薬を出して」という人には本来は必要ない。しかし、経営的なメリットも考慮してすんなり処方する医師も多く、長らく主流だったBZ系の乱用につながってしまったという。

 そうしたBZ系の依存性や副作用の問題を受け、厚労省は近年になって医療機関に対し用量と使用期間について注意喚起を行い、同一用量で1年以上継続して処方している場合に、処方料・処方箋料の減算規定を設けた。そうした状況から、現在の睡眠薬の主流になっているのが③メラトニン受容体作動薬と④オレキシン受容体拮抗薬だ。

■自然な睡眠を促すオレキシン受容体拮抗薬

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