エキノコックスの成虫に対しては、駆虫薬の「プラジクアンテル」がほぼ100%効果があり、キツネやイヌに広く用いられています。しかし、人体エキノコックス症の原因となる幼虫に対しては、完全に死滅させる駆虫薬はなく、外科的切除が唯一の根治的治療法となります。
がんと同じように、早期診断された時の予後は良好ですが、あちこちに転移すると取り切れなくなってしまい手の施しようがなくなってしまいます。そのため、エキノコックス症は予防がとても大切なのです。感染源となるキツネや野犬などの保虫宿主に接触しない。野山に出かけた後は手をよく洗う。キツネを人家に近づけないよう、生ゴミなどを放置せず、エサを与えたりしない。沢や川の生水は煮沸してから飲むようにする。山菜や野菜、果物などもよく洗ってから食べる。こうした対策が必要です。
感染症別 正しいクスリの使い方