患部を抱えた脚の切除を自分の意思で退け、巡り巡って在宅医療にたどりついたといえるものでした。
そこでまず手始めの処置として、これは在宅医療ではあまり知られていませんが、形成外科的な処置として器具により壊死した患部をかき出す処置を行うことになりました。
「元々おやりのお仕事は?」(私)
「立ち仕事です」(患者)
「かかとの傷は褥瘡っていって、長い間圧迫するとできちゃうんですよ。いつごろからですか?」(私)
「私気づかなかったの。入院して先生たちが気づいて」(患者)
「かかとは治りにくい場所なんで、時間かかるんですけど気長に治していきましょう」(私)
「わかりました」(患者)
深刻な様子も見せず気丈に振る舞い、私たちと一緒に在宅医療を積極的に進めるその様子に、我々も勇気づけられたのでした。
老親・家族 在宅での看取り方