冬の一番の健康法は暖かい部屋で過ごすこと「室温18度以下」は要注意と医師アドバイス

窓用の断熱シートを使うのも有効

 実際、心と体の司令塔である脳の神経は冬に寒い家に住んでいると質が悪くなるとの話もある。慶応義塾大学理工学部の伊香賀俊治教授らが40代から80代の150人の脳画像をもとに脳の神経繊維の質を調べたところ、冬場の居間の室温が5度高い家の住人の脳年齢は10歳若く保たれていた。寒い家では室温の変化が激しく、それに応じて血管の拡張縮小が繰り返された結果、動脈硬化が進むためだという。

 むろん、脳神経の質が悪くなれば健康が損なわれるのは当然で、寒い部屋で眠れば睡眠に悪影響があり、翌日の作業効率も低下する。それだけ、寒い部屋は多方面にわたって健康を損ねるということだ。

 逆に、持病のある人で高断熱住宅に転居した人はその後に持病がどうなったかをアンケート調査した研究がある。それによると、ほぼ無断熱の家から断熱のある家に引っ越した人は、気管支炎、喉の痛み、アトピー性皮膚炎など8つの症状に改善がみられたという。高断熱住宅ではアレルギー疾患の原因となるダニやカビの発生が抑えられるうえ、血圧も安定し、室内の活動が活発となる。しかも遮音効果が高く、騒音のストレスも低下するからだ。

2 / 5 ページ

関連記事