「祈り」という行為は、なんとも形容しがたい厳粛な空気感に包まれます。私たちが神社仏閣で手を合わせて心の中でつぶやく、キリスト教徒が教会で祈りを捧げる、イスラム教徒がモスクで礼拝する、あるいは少数民族がそれぞれの方法で祈祷する……「祈り」は、形式や様式こそ異なるものの世界で行われる共通のアクションと言えるのではないでしょうか。
実際に、「祈り」には心を安定させる効果があることもわかっています。
元カリフォルニア大学の心臓学教授ランドルフ・ビルドは、「祈り」に関する実験を行っているのですが、とても興味深い結果(1988年)が明らかになっています。
この実験は、10カ月以上にわたって心臓治療のために入院している393人の患者を対象に行い、まず患者たちをランダムに、他者から早い回復や非重症化や死亡の回避などの祈りを捧げられるグループと、何も行わないグループに分けました。
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