敗血症の人の「目」はどうなるのか? 糖尿病、がんなどリスクの高い人は要注意

敗血症では目にも異変が…

「内因性細菌性眼内炎」と呼ばれる細菌による血行性感染は放置された糖尿病や慢性腎不全、あるいは内視鏡検査や外科手術の後に起こりやすいとされる。通常は片側の目にのみ起こるが、10~20%の確率で両目同時に起こることもある。その症状の進行は急速なので、視力を維持するためには早急な治療が必要となる。

「これに対して『内因性真菌性眼内炎』では、カンジダを代表とする真菌が何らかの原因で目の中に入り込み、ややゆっくりと炎症を引き起こします。発見が遅れると、真菌が増殖し失明します。発熱などの全身症状が続き、飛蚊症や霧視などの目の症状があらわれます」

 AIDSや抗がん剤の使用などで免疫がさらに低下している場合には「サイトメガロウイルス網膜症」を発症するケースがあり、これもウイルスが目に入ると考えられている。

「サイトメガロウイルス網膜症は、日本人の成人の多くが周産期に母子間で感染しているサイトメガロウイルスが原因で起きます。無症状で体内にウイルスが存続している状態から、AIDSなどで全身の免疫力が低下したときに日和見感染として発症します。この症状も視力低下、飛蚊症、視野障害などです」

 もちろん、敗血症が原因であらわれた眼内炎は、目薬をさしても治らない。硝子体手術など眼内炎の根本治療が必要となる。敗血症のリスクのある人は敗血症と目の症状についても知っておいたほうがいい。

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