以前にもお話ししましたが、健康寿命を支える重要な柱のひとつに“栄養”があります。そして、健康寿命という意味での“栄養”は、元気に口から“食べる”ことを意味します。そういったことを考えると、“食べる”に関連する副作用は医療においてはたしかに「その他の副作用」に分類されますが、社会的には「重篤な副作用」と考えるべきだと個人的に強く感じています。
超高齢になるとどうしても多くの機能が低下してしまい、そのため“食べる”ことができなくなることもあるでしょう。ただ、そうなる前に「何か別のことが原因で“食べる”ことができなくなっている可能性」を探してみるのもいいかもしれません。それが加齢によるものであれば、ある程度受け入れるしかありません。しかし、その原因としてクスリが疑われる場合には、クスリを中止することで再び“食べる”ことができるようになるかもしれません。結果として、しっかり“食べる”ことができて健康になれば、クスリを中止してよかったと実感することができます。
高齢者の正しいクスリとの付き合い方