医師が患者から教えてもらいたいこととは? 在宅診療の名医が語る

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 医療機関によっては患者を「患者さま」と呼ぶ。医療はサービス業であり、百貨店やホテルと同じく敬称をつけるべきという考えが広がったことや、「患者さま」に続く言葉が丁寧な言葉遣いになる、との効果を狙ったものだと言われている。しかし、「お客さま扱い」された患者の中には、誤った権利意識やお客さま意識から「病気は医師が見つけるのが当然」と考えてだんまりを決め込み、診療の妨げになるケースもある。だが、最善の治療を受けるには患者も「病気を前にして共に闘う者」として医師が求める情報に応える必要がある。毎年在宅で200人を看取る、「しろひげ在宅診療所」の山中光茂院長に聞いた。

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「画像や検査だけでは、名医でも患者に合った薬の調整は難しい。適正な薬を出すには患者さんからの正確な情報が必要です。たとえば、発熱は体温計でわかりますが、どのような出方がするかはわからない。医師の対応は発熱以外の情報で変わることを患者さんは知るべきです」

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