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帯状疱疹の原因はコロナワクチン?米国の研究チームが報告

新型コロナワクチン接種のために準備された注射器(C)ロイター

 新型コロナウイルスワクチンを接種した後に、帯状疱疹を発症したとされる症例が報告されています。帯状疱疹は、水ぼうそうと同じヘルペスウイルスによる感染症で、帯状に広がる皮膚の発疹が特徴です。

 このウイルスに初めて感染した場合、水ぼうそうを発症しますが、病状が治癒してもウイルスは神経の奥深くで休眠状態となります。何らかの原因で免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化し、皮膚に発疹をもたらすのです。

 新型コロナウイルスに感染すると、帯状疱疹を発症しやすくなることが報告されており、ワクチン接種との関連性にも関心が集まっていました。

 そんな中、米国医師会が発行しているオープンアクセスジャーナルに、新型コロナウイルスワクチンと帯状疱疹の関連性を検討した研究論文が2022年11月1日付で掲載されました。

 米国で行われたこの研究では、新型コロナウイルスワクチンの接種後に帯状疱疹を発症した1451人の患者(平均51.6歳)が対象となりました。ワクチン接種と帯状疱疹に因果関係がある場合、ワクチンを接種してから短期間で帯状疱疹を発症することになります。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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