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ついに交通事故超え…子供の死因トップになったアメリカの銃

サンディ・フックの事件から10年。追悼のため緑のライトで照らされたホワイトハウス(C)ロイター

 厳しい銃規制が難しい理由は、全米ライフル協会という銃擁護団体が、特に保守政治家や世論をコントロールしているからです。憲法修正第2条の「自己防衛のための銃保有の権利」がその根拠。結果、自衛のための銃を持つ人は銃撃事件のたびに増えています。戦争で使うようなライフル銃を、趣味で手に入れる人も後をたちません。

 それに対し、若者たちがTikTokなどソーシャルメディアで「銃がある家ほど危険。自殺リスクは3倍、殺人で死ぬリスクも2倍になる」などと、活発に訴えています。またニューヨークでは「親は子供を友達の家で遊ばせる前に、銃が安全に保管されているか聞こう」と呼びかける、病院のテレビCMが流れています。

 銃による死から子供を守るための戦いは、今後さらに激しくなりそうです。

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シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

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