健康長寿のカギは腎臓にあり

再検査では腎臓だけでなく全身の健康状態もチェックしたい

写真はイメージ

 前回、健康診断などで「腎臓の再検査を」と言われた場合はどうすればいいのかをお話ししました。今回は、当院の例となりますが、再検査について、もう少し詳しくお伝えしたいと思います。

 慢性腎臓病になった患者さんは「透析予防・心血管予防・寝たきり予防」といった「3つの予防」を意識する必要があると私は考えています。

「透析はわかるけど、なぜ心血管や寝たきりの予防を考えるの?」──そんなふうに感じた人も多いかもしれません。

 実は、腎臓が悪くなった人は、そうでない人と比較すると、心不全や脳卒中などの心臓や脳の病気になる確率が2~3倍程度高かったり、筋力が落ちたり、骨がもろくなることが原因で身体機能が7割程度になるといわれています。

 そのため、「腎臓の再検査を」と言われて来院された患者さんには、当院では必ず「腎臓を詳しく調べるだけでなく、全身の評価を行う」ことにしています。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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