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新型コロナワクチンによる健康被害 厚労省が新たに70人の医療費・医療手当認定

新型コロナワクチン接種後に腫れた様子
新型コロナワクチン接種後に腫れた様子(C)日刊ゲンダイ

 新型コロナワクチンによる健康被害を審査する「第15回感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会」が去る22日に開催された。今回は死亡事例の請求の審査はされず、92件の医療費・医療手当の請求が審議された。そのうち70件を「ワクチン接種によって起きた可能性が否定できない」として国の救済を認定した。否認は21件、保留は1件だった。

 医療費・医療手当の請求が認められた70件の性別は男性33人、女性37人でワクチン接種時年齢は10代6人、20代14人、30代7人、40代13人、50代12人、60代10人、70代7人、80代1人だった。疾病名・障害名は「アナフィラキシー」「急性心筋炎」「急性心膜炎」などが目立った。

 今回の審議結果を含む新型コロナワクチンに関する累積の申請受理件数は5601件。うち認定件数は1313件、否認件数は146件、現在の保留件数は24件となった。

 ちなみに、同分科会は否認理由を「①予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠はないが、通常の医学的見地によれば否定する論拠がある②予防接種と疾病との因果関係について否定する明確な根拠がある③疾病の程度は、通常起こりうる副反応の範囲内である④障害の程度は、政令に定められる障害に相当しない⑤因果関係について判断するための資料が不足しており、医学的判断が不可能である」と分類しているが、今回否認の21件は①14件、③6件、⑤1件を否認理由に挙げた。

 新型コロナワクチン接種がスタートして12月22日まで1年10カ月以上が経過。この間、3.6億回を超えるワクチン接種が行われ、厚労省には医療機関からだけでも累計3万5362件(5~11歳の132人を含む、11月13日まで)の副反応疑いと1919件の接種後死亡(11月13日まで)が報告されている。

 同分科会は認定にあたっては、事例ごとに「厳密な医学的な因果関係までは必要とせず、接種後の症状が、予防接種によって起こることを否定できない場合も対象」との考え方に基づき審査しているとしている。

 なお、新型コロナワクチンによる健康被害を審査する部会としてそれを専門とする「感染症・予防接種審査分科会新型コロナウイルス感染症予防接種健康被害審査部会」と新型コロナ以外のワクチンも対象とする「感染症・予防接種審査分科会」があり、2022年は1月28日以降8月を除き計20回(前者11回、後者9回)開催された。そのペースは基本月各1回と変わっていない。この間、913件が認定された。月別救済認定件数は1月115件、2月51件、3月84件、4月58件、5月23件、6月118件、7月61件、9月75件、10月111件、11月132件、12月85件で、うち死亡一時金・葬祭料の認定は15件だった。

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