がんと向き合い生きていく

お正月が近づくと大学病院から白血病の患者が紹介されてきた

写真はイメージ

 一方、家には帰らずにずっと病院で過ごす方もおられます。そんな患者の家族の中には、「大きな犬を駐車場に連れてくるので本人に会わせたい」とか、「猫をバスケットに入れて病室に連れていきたいのですが……」と聞いてくる方もいらっしゃいました。アレルギー専門の医師が大反対していたことを思い出します。

 そして元旦になると、破魔矢やお守りを持って病院に見舞いに来る振り袖姿のお嬢さんによく会いました。ただ2023年の元旦は、コロナが収まっていない状況なので、病院では厳しい面会制限が続くと思います。

 来年こそは、コロナが収まりますように! 治療法がさらに進んで、患者の、みんなの笑顔が増えますように。そして、戦争がなくなりますように。

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佐々木常雄

佐々木常雄

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

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