「肥満症」は病院で治す 画期的な治療薬が薬事承認申請中

写真はイメージ(C)ロイター

「日本で保険適用のある術式としては、腹腔鏡で胃の下側を切り取る腹腔鏡下胃スリーブ切除術があります。単に胃を小さくして食べられなくする手術ではなく、ホルモン動態が変化して食欲や代謝に好影響を与えます」(小川教授)

 BMI35以上で糖尿病、高血圧、脂質異常症、SASのうち1つ以上を合併している人が保険適用だったが、今年4月からはBMI32~34.9でも条件を満たせば保険適用となった。

■肥満症は本人のせい?

「肥満症=自己管理ができない、ではない。肥満症には体質や遺伝子も関係しています。肥満で健康障害がある人は、治療の必要があると考え、専門医に相談してほしい」(小川教授)

 非常に効果の高い薬が近いうちに厚労省へ承認申請中と紹介した。GLP-1受容体作動薬だ。この薬、数年前から自費診療のクリニックでダイエット目的に処方されているが--。

「極めて由々しき問題。現段階では2型糖尿病の薬としてしか承認されておらず、本来の使い方がなされていない。今後、肥満症治療薬として承認されるとしても異なる製剤であり、改めて適切な使用が必要だ」(冒頭の横手教授)

 肥満の正しい知識を。

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