健康長寿のカギは腎臓にあり

腎臓エコー検査は腎機能低下や尿タンパクが出ているときに行う

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 なお、腎臓エコーで「石灰化」を指摘される場合もあります。これは腎臓にカルシウムが沈着した状態。ほとんどの場合は放置しても問題がないと言われており、ほかの科を受診する必要がないことが多いです。

 高血圧や糖尿病など、腎臓が悪くなる原因はまったくないのに、健康診断で「腎機能低下」となり、再検査で当クリニックに来た患者さんがいました。「なぜ機能低下したんだろう」と思いながら腎臓エコーを行ってみたところ、片方の腎臓が3分の1の大きさになっていた──。そんな事例もたまにあります。

 なぜ腎臓が悪いのかをつきとめるためにも、腎臓エコーは欠かせない検査なのです。余談ですが、なぜ片方の腎臓が小さくなってしまったのか、残念ながら検査をしてもわからないことが多々あります。

 一般的には腎臓は片方になってもしっかり働いてくれるので、健康診断などで体に異常がない方であれば問題にならないことも多々あります。が、2つの腎臓で受ける仕事を1つで受けるので高血圧、糖尿病、肥満などの腎機能を悪くする原因にはより注意が必要です。

 費用は、健康診断で何らかの画像の異常を指摘されている場合は保険診療で行うことが可能。3割負担で2000~3000円程度になります(診察料を除く)。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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