時間栄養学と旬の食材

【クチナシ】目の疲れを改善 毛様体筋に働くクロセチンが豊富

クチナシ

「熟しても裂けたりする口がないから」「ガクが鳥のくちばしに似ているから」といった名前の由来があるクチナシは、日本をはじめ台湾や中国などに広く自生している植物です。お正月の栗きんとんや、大分県の郷土料理である黄飯の色づけにも用いられています。漢方としても用いられることが多く、古くから煎じて黄疸、消炎、鎮静のための薬として利用されてきました。

 そんなクチナシに含まれる栄養素のひとつに、クロセチンがあります。クロセチンは目の疲れを改善するのに効果的な成分として知られています。特にクチナシに含まれているものは分子量が小さいため、目でモノを見る際のピントを調整するために必要な筋肉(毛様体筋)に直接働きかけることができることもわかっています。

 私たちの生活ではテレビやスマートフォンなどによって発されるブルーライトも眼精疲労の原因になります。マウスの実験にはなりますが、強い光を当てた後にクロセチンを投与した場合、目の細胞のダメージが抑えられたという報告もありますし、細胞実験でも糖尿病網膜症や加齢黄斑変性症に効果的だということもわかっています。

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古谷彰子

古谷彰子

早稲田大学大学院卒。早稲田大学時間栄養学研究所招聘研究員、愛国学園短期大学准教授、アスリートフードマイスター認定講師。「食べる時間を変えれば健康になる 時間栄養学入門」「時間栄養学が明らかにした『食べ方』の法則」(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)などがある。

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