健康長寿のカギは腎臓にあり

腎臓の食事療法は「ステージ」によってやり方が異なる 自己判断は禁物

自己診断は禁物。専門家の指導を受けるのも有効な手のひとつ

 そういう経験をした患者さんは、翌年の健康診断でまた再検査となっても「どうせ何もすることないんだろう」と自己判断で放置してしまうことがあるんですね。でも、慢性腎臓病は数カ月から数十年という時間をかけてゆっくりと進行する病気。

「大変なことですよ!」と大げさにあおるようなことは言いたくないのですが、そうはいっても軽度とはいえ、何もせずにそのままの生活を続けていいわけではありません。

 腎臓の働きが低下するのを食い止めるために、食事や運動などの生活習慣を直す必要があります。その生活習慣改善についても、自己流の判断ではなく、必ず医師に相談してほしいんです。

 先ほども言ったように「慢性腎臓病=人工透析」の思い込みがある人が多く、ネットで少し検索して誤った食事法を取り入れてしまい、逆に健康を害してしまった患者さんも。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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