メガネを語る

滝沢馬琴のメガネは1両1分 細かい手仕事をする職人に人気だった

滝沢馬琴誕生の地にあるモニュメント

 メガネは宣教師から有力大名への献上品として日本に入ってきましたが、江戸時代初期には相当数が輸入され、広く普及していたであろうことをお話ししました。では、それはどのように使われていたのでしょうか? それを示すのが当時の庶民らの暮らしなどを描いた絵画です。

 メガネをかけた人物が描かれている日本最古の絵画は「南蛮屏風」といわれています。南蛮とはポルトガルやスペインのことで、南蛮人の日本での様子を狩野派の絵師が描いたものが南蛮屏風です。安土桃山時代から江戸初期のものです。

 メガネをかけた日本人が最初に描かれた絵画は豊臣秀吉の七回忌の祭礼を描いた「豊国祭礼図」の中の人物といわれています。その後、メガネが国内生産され、その普及と共に細かい手仕事をする職人がメガネを使っている様子を描いた絵画が続々と登場します。そこには、蒔絵師、仏師、木版師らさまざまな職人がメガネを使って仕事をする姿が描かれています。

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