ニューヨークからお届けします。

北米最大のテクノロジーの祭典CES 全体テーマ「世界の全ての人の安全」が示す意味とは?

多くの人が集まったCES(C)ロイター

 CESといえば毎年ラスベガスで開催されるテクノロジーの祭典。今年はパンデミック明け初の開催で、パナソニックやSamsungなどグローバル企業からスタートアップまで、世界中から3000社10万人が結集しました。

 EV(電気自動車)、家電、メタバースまで、華やかな最新のイノベーションに注目が集まる中、全体を貫くテーマは意外にも「ヒューマン・セキュリティ・フォー・オール(世界の全ての人の安全)」。一体どういう意味でしょうか。筆者の取材を元にレポート、分析します。

 CESを主催するCTA(全米民生技術協会)のゲイリー・シャピロCEOは、基調講演でこう語りました。

「戦争、災害、貧困、病気、不景気。世界は脅威に満ち、人類の安定と発展を妨げている」

 そして、温暖化による食糧不安、世界の20億人が清潔な水を飲めない、多くが必要な医療が受けられないなどの現実を挙げ、「我々は国境を越え、イノベーションによって、全人類の基本的人権を守るために力を合わせるべきだ。」と宣言。

1 / 2 ページ

シェリー めぐみ

シェリー めぐみ

NYハーレムから、激動のアメリカをレポートするジャーナリスト。 ダイバーシティと人種問題、次世代を切りひらくZ世代、変貌するアメリカ政治が得意分野。 早稲稲田大学政経学部卒業後1991年NYに移住、FMラジオディレクターとしてニュース/エンタメ番組を手がけるかたわら、ロッキンオンなどの音楽誌に寄稿。メアリー・J・ブライジ、マライア・キャリー、ハービー・ハンコックなど大物ミュージシャンをはじめ、インタビューした相手は2000人を超える。現在フリージャーナリストとして、ラジオ、新聞、ウェブ媒体にて、政治、社会、エンタメなどジャンルを自由自在に横断し、一歩踏みこんだ情報を届けている。 2019年、ミレニアルとZ世代が本音で未来を語る座談会プロジェクト「NYフューチャーラボ」を立ち上げ、最先端を走り続けている。 ホームページURL: https://megumedia.com

関連記事