健康長寿のカギは腎臓にあり

プロ野球の大和選手の「慢性腎臓病」発表から……若いうちから尿検査を

契約更改交渉後に、会見で慢性腎臓病を公表したDeNAの大和内野手(C)共同通信社

 一般的に腎臓の機能低下の原因は、生活習慣と、そして加齢が原因であることが多い。ただ、若い世代の慢性腎臓病は、生活習慣病が原因であることは比較的まれです。

 それ以外の免疫の病気やなんらかの特別な病気があって、その結果、慢性腎臓病を引き起こしてしまう。だからこそ、「まだ若いから関係ない」と思わずに、若いうちから腎臓検診はやっていただきたいんですね。

 腎臓検診で行うのは尿検査や採血なので、患者さんに負担がかかる検査ではありません。CMで言っている「腎臓検診」も、「定期的に尿検査を行うように」というメッセージが主なのだろうかと思います。

 尿検査を行うと、腎尿の中にタンパクが混じっているかどうかがわかります。タンパクの混じった尿は「タンパク尿」と呼ばれ、腎臓に何らかの異常が起きていることを示すSOSのような役割を担っています。

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森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

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