健康長寿のカギは腎臓にあり

プロ野球の大和選手の「慢性腎臓病」発表から……若いうちから尿検査を

契約更改交渉後に、会見で慢性腎臓病を公表したDeNAの大和内野手(C)共同通信社

 腎臓は「必要なものを体にとどめて、不要なものをろ過、尿として体外に出す」という役割を担う臓器。腎臓には糸球体と呼ばれる毛細血管の塊のようなものがあり、これがフィルターの役目をして、血液中のいらないもの(老廃物)を取り除き、血液をきれいにしています。ところが、その機能が低下し異常が出ると、タンパクを尿として体の外に出してしまうことがある。タンパクは私たちの体にとっては必要なもの。ですから、本来は体の外に出ることはないのです。

 尿として体外に排出するのは、明らかに体のエラー。これをチェックするのが尿検査で、腎臓検診の中でも非常に大切な役割がある検査です。

 仮に腎臓病であったとしても、健やかに自分の人生を送っている方がたくさんいらっしゃいます。内臓の中では地味で普段は目を向けることのない自分の腎臓と、検診で年に1度だけ向き合ってみてもいいかもしれません。

3 / 3 ページ

森維久郎

森維久郎

三重大学医学部卒業。日本腎臓学会専門医。2020年5月、腎臓内科、糖尿病内科、生活習慣病の診療に特化したクリニックを開院。腎臓について伝える情報サイト「腎臓内科ドットコム(https://jinzonaika.com/)」を監修。

関連記事