独白 愉快な“病人”たち

緩和ケア医の山崎章郎さん 抗がん剤の過酷な副作用を経験して「がんと共存」を選択

山崎章郎さん(提供写真)
山崎章郎さん(緩和ケア医/75歳)=大腸がん

「手術後の大腸には問題ないですが、両側の肺に多発転移があります」

 副作用に苦しみながら再発予防目的の経口抗がん剤治療を続け、もう1クールというところで、主治医からそう告げられました。手術した時点ではステージ3だったのにステージ4に進行したのです。

 副作用の過酷さを体験した私は、次の段階の抗がん剤治療を選択せず、がんと共存することを考え始めました。がんは増殖しなければすぐに命に関わることはない──。その観点から改めてがん治療を勉強し直し、身をもって試し、3年間経過観察してきた結果、今現在、両肺のがんは発見当初より減少状態で安定しています。「寛解」とも表現されますが、私は「共存」と呼んでいます。

 大腸がんがわかったきっかけは、腹部がごろごろと鳴る「腹鳴」です。腹鳴は腸内のガスが狭い所を通過するときに出る症状です。2018年6月ごろに気づき、8月にそれが頻回になったあたりから、元消化器外科医として「大腸がん」を確信しました。

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